親御さんインタビュー「花火が落ち着いてから話す」水野有香さん第1話

全何回になるか予測できない「親御さんインタビュー」普段のことをありのままに、お話しして頂いてます。今回は水野有香さん(お母さん)、ゆうひくんにお話を伺いました。

: 今日はお時間いただきありがとうございます!早速ですが、ゆうひくんはどういう障害ですか?

: 自閉症スペクトラムで知的障害を伴っててADHDです。

: 自閉症もADHDも何十通り、何百通りっていうパターンがあり、カテゴライズはするけれども、今聞いたことだけでは全然分からないけれど。彼と接してきて、彼は活発だし、ひと懐っこいし。と言う意味では将来、めっちゃ不安ってわけでは無いですよね。ゆうひに障害があるって分かったのはどれくらいの時ですか?

: 自閉症という病名がついたのは2歳の時ですね。

: 病名が着く前に何か、感じたりした事はありますか?

: 自閉症の症状的な特徴で、モノを並べる、会話してても目線が合わない、人見知りが無い、全く笑わない。今からは全く想像できないんですけど、本当に笑わなくて。やっぱり、歩くのとかも遅かったんですよね。区の検診に行った時に、紹介されたのがそういう病院だった。

け: お母さんは、それまでに自閉症のことは知ってたんですか?

: 自分で調べたりしてました。あと、ゆうひが通っていた保育園に自閉症の子がいて、その子のお母さんだったり、先生と情報共有、相談はしていました。

: 自閉症の診断が出てからの成長はどうだったんですか?

: 3歳くらいから、小児精神科病院の作業療法と、脳を刺激する教室に通って少しずつ表情とかも出てくるようになりました。

: どれくらいの期間通ったんですか?

: 3歳から小学校入るまで通ってました。箸も持てないくらい手先が器用じゃなかったんですが、作業療法のおかげで今はすごく手先が器用になりました。

: なんてところで作業療法したんですか?

: 新札幌子ども発達クリニック内にある施設です。専門の先生がいらっしゃって、週に2回通ってました。

: 今まで病院で訓練っていうのを聞いたことが無かったです。不勉強でした。それから小学校に通って「てまりの華(施設)」と知り合ったと。

: 札幌から江別に引っ越して、そこで紹介されたのが、てまりさんです。その時のゆうひの状況には、てまりさんがよく合ってて。それからずっとお世話になってます。

: 一年生の時、ゆうひはどういう状況でした?

: 札幌の小学校に入学した時、5人そういう子がいたんですが、その中では一番軽度でした。楽しんで学校は行ってました。江別に来てからの方がちょっと不安定でした。何人か合わない子がいて、ゆうひが隔離されたこともある。

: それは暴れちゃったりとか?

: 暴れたりしたこともあった。薬を変えた時期で薬が合わなかったんです。札幌の学校に入学して、1年生の冬ごろに江別に転校して、年度が変わるまでちょっと不安定でしたね。教育のしかたは、札幌の学校の方が合ってました。

: どんな感じの教育でしたか?

: 札幌の学校は、自立する事に力を入れていたので、自分で洗濯して干したり、顔洗ったり、歯磨きしたり、っていうのも教育の一環であって。大人になっても困らないようにって。今の学校は普通の支援学校なので、、、

: 先生が変わって運命が変わることもありますしね。それで、ゆうひが落ち着いて来たのはいつごろなんですか?

:合わない子が普通クラスに入ってから落ち着きましたね。

: 現状、学習とかで何か問題ありますか?

: 苦手なものにはやっぱり取り組むの遅いですけどね。

: それ普通やん!僕が知り合った時と思うと随分、大人になってきたね。

: 初めて会ったのって、ゆうひが何歳のときですか?

: 札幌展が2018年からなので、小学校2年生の時ですね。てまりってオーナー夫妻がすっごい元気ですよね、まあ、あの二人も何らかの障害持ってると思いますけど笑。それくらい経営者として変わってますよね。ああいう人がやってるから、施設の雰囲気が黄色とかオレンジみたいな感んじなのね。その施設で、一番賑やかだったのがゆうひだったわけさ。だけど、3月にお絵描き行ったらゆうひがなんか静かになってて、ちょっと驚きました。

: 変化はあんまり分かんないけど、体付きとか見てると男になったなって思います。内面的なところはあんまり変化感じませんね。

: だけど、さっきゆうひ敬語使ったでしょ?俺の感覚だと、作業所で働けるように中学校2年生くらいから教えるイメージだったんですよ。 だから、ゆうひが敬語使ってびっくりでしたね。

: でも、今、敬語使う子多くないですか?

: マジですか。

: 先生に対してもタメ口きく子はあんまりいない気がするんですよね。

: 失礼しました!! ゆうひのことでなんか困った事とかありましたか?

: 一番覚えているのは、3歳くらいの時に保育園にソリを引いて送迎(北海道ではよくある事らしい)していたんですが、その時に道に落ちているものを食べてたんですよ。汚いという認識がなくて食べてたことが、すごくショックでした。それを見て、ゆうひの将来が心配になり泣いちゃいました。当たり前のことが当たり前じゃない現実にすごく悩んでました。今となっては笑い話ですけど。成長と共に理解してくれるっていうのが分かるまで、そっから2、3年かかったかな。結構、辛い時期でしたね。

: 今となってはそうやって話せるけど、当時はこれからどうなるかとか分からないもんね。他になにか大きいトラブルとかありました?

: 最近の話ですが、モノを盗ることが多くて。盗む事に快感を覚えてしまっているような感じになってしまって。家族だけでは抱えきれなくて、てまりの大越さん、学校、教育委員会の方に相談にのってもらいました。私の家での接し方に問題があったと思うんです。ゆうひが「かーー」ってなっている時に私も強く言っちゃうんです。そんな時にアドバイスを受けたのが、「ゆうひ君の中の花火が落ち着いてから、ゆっくり話してごらん」って。それから、家での接し方を変えたんですよね。ゆうひに寄り添ってあげる時間を増やしました。色々と、家での接し方を変えらた少し落ち着きました。

            ・・・第二回に続く。

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