親御さんインタビュー「人を羨むことだけはしない」木野美奈さん第3話

 

全何回になるか予測できない「親御さんインタビ ュー」普段のことをありのままに、お話しして頂いてます。

今回は木野美奈さん(お母さん)しょ うたの君の第三弾です。 前回までは妊娠時点で、先生に「一人で大きくなれる子じゃない」と言われ、それから出産までの恐怖と葛藤を話して下さったお母さん、今回も興味深い話が出ました!

け : 旦那さんは何してる人ですか?

母 : 公務員です。

け : 子育てには協力的?

母 : そうですね、今私たち大阪に住んでいるんですけど、主人の職場滋賀なんです。私の仕事の都合で大阪に住んでもらってて。新大阪に住んでたんです、新大阪だとギリ滋賀までいけるって言う。でもさっき話したみたいに息子のことがあって、 豊中に引っ越したいってなったらさらに遠くなるんです、職場が。でも、毎日1時間半ぐらいかけて通勤しているのは、それでもやっぱり息子のためならって言うのでこっちに引っ越してきて。それを誠さん(施設のオーナー)に言ったら、「それ毎日旅行やん」て言われて。旅行をしてでも息子のために引っ越したいって思うぐらいかなり、 熱心。息子と子供に対してすごく、協力的ですね。

け : めっちゃいいわ。本当に。本当になんか疲れてきたわ。表現がちょっとおかしいかもしれない けど、感動しているってことね。

母 : ありがとうございます笑。私よりも主人の方が、うん。私ほんまに陳腐な人間なんであれですけど、でもやっぱり彼の方がかなりアツイですね。

け : 毎日旅行だもんね。

母 : そう笑。誠さんだいぶ呆れてましたけど。でも、まあまあそれでも、頑張って通ってくれてますね。

け : 素晴らしいわ。しょうたくんが生まれた時の 「おい、めっちゃかわええで!」もそうだし、旦那さんめっちゃいいね。本当ありがたいね。

母 : 本当にありがたいと思います。そうなんですよ。そうなんですよ。でもめっちゃ文句言ってました。最初は自分で決めながらも。

け : 言いたくなるよ。

母 : 最近やっと言わなくなりましたけどめっちゃずっと文句言ってましたね。

け : それはかまってボーイなんじゃないの?

母 : どうなんですかね?一人っ子ですしね、結構 おっとりなところがあるから。どうなんですかね。わからないですけど最近は大丈夫です。

け : それにしても、旦那さんの「おい、めっちゃ かわええで!」ってすごいよね。正直生まれた瞬間って可愛さとかよくわからない気がして。なんだろ、見た目としては別に可愛くないじゃないですか、生まれたてって。

母 : そう思うぐらい、かなり前もって言われてることがひどすぎた。耳が顎についてるかもとか、いろんなことを言われすぎて。凄いエイリアンみたいなのを想像していたから、そう思ったのかなとか思うんですけど。

け : 僕もさ、こういう活動してさ、日本は福祉が遅れとるとかね、ヨーロッパとかの福祉のスタイ ルって「福祉」っていう概念すらなくて、とかさそんなこと散々言うけど、いざ自分とこの子供ができてね、うちは子供いないから。子供ができて 「耳がここで」とかね、俺そんなこと聞いて、凄いわ。本当に。想像できん。

母 : そうなんですよ。だからもうめっちゃ怖かったです。最初ね。で、なんかこう、よからぬことを思うんですよね。人に対してそう言う時って。 健常の子を見ると羨ましいとか、たられば話。産まなかったらよかったとか。こんな子じゃなかったらみたいなことを思っていた時に自分の父親から、「人を羨むことだけはしないで欲しい」みたいなことを言われて。そう言われると息子を否定しているって言う感じがするから、否定するって言うことは自分が産んだことも否定することになるから、ある意味「意地」になって毎日過ごしてた気がしますね。でもその代わりやっぱり、人のことが目につかないっていうと嘘ですね。友達とか同期とかが子供産むと「なんであそこだけ健常で元気な子が生まれてくるねんやろ」みたいな。「あの子のお家も何かあったらいいのに」みたいな、今思うとそういう邪な気持ちを常に抱いていたような気がしますね。

け : それはいつごろ晴れたの?

母 : やっぱねー、二人目が生まれた時ですかね。 二人目が生まれて、それもなかなか大変で、なかなかできなかった上に、できたと思えば流れて、できたと思えば流れてで。そう言うのを繰り返し て。それでまただんだん気持ちが疲弊して行った けど、何年後かに授かって元気な子が生まれて、 だんだんなんか、しょうただけにフォーカスが当 たらなくなった時にちょっと肩の荷が降りた感じ はしますね。

け : 今俺がこうやってインタビューで関わってきて、一人っ子、もしくは兄弟の場合、一番下の子っていうパターンが多くて。上の子っていうパターン初めてかも。

母 : そう、でも一人目だったからうちは母子で数ヶ月一緒に入院してリハビリやったりとか、こう手厚く関わってあげられたかなって思いますよね。結果的によかったかなと思います。

け : 本当にうまいね、喋るの。本当に上手いし、 ドラマみたいに喋ってくれるじゃん。

母 : ほんまですか?

け : ほんまやで!凄いで、きみ。もうたくさん聞いたけど、物語調で教えてほしくて、しょうた君がいることで困ったエピソードを。

母 : ・・・

け : よかったエピソードはどう?

母 : えー・・・

け : ないんかい!

母 : いっぱいありすぎてどれにしようかと思うんですけど。この前、四年生の時になかなかコロナ になって学校に行けないんですけど、あるきっかけがあって私たちだけ学校にいける時があって、 学校の様子とかを見てたんですけど、その時に四年生、今年はちょっとわかんないんですけど、去年本当同級生に恵まれて。学級委員の男の子がいてるんですけど、その子は一年の時からずっと同じクラスでいてて、そのクラスの男の子が学級委員でいてる時に、ちょっと困ったことがあると 「大丈夫?」って声かけてくれるんですけど、なんかのグループ分けになって。グループで行事をするっていう時にその子がしょうたに声をかけてくれて、「しょーちゃん、誰か知ってる?メンバ ー?」しょうたが「わからへん」って言った時に 「みんなちょっと静かに手とめてやー」って言っ て「なあなあ、こんなかでしょーちゃんと同じグループの子手あげてー」って言ったら何人かが手を挙げて。「なあなあしょーちゃん、わかった。 あの子とあの子とあの子と同じグループやで、覚えときやー」みたいな感じでやってくれた時とかお友達も「俺ら障がいとか全然気にせえへんからな」って声をかけてくれる、そういう暖かい気持ちがすごく他の親では経験できへんことなんやろうなっていう。私がこの子の親だから経験できる良いメリットやなって。ほんまもう泣きそうになったんですけど。そういうこともありました。

け : めっちゃいい。色々なお話ありがとうござい ました。大阪ならではのエピソードも含めてまたインタビュー協力して下さい!

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