対談企画!ヘルプマーク提案者に直撃してみた!

■ヘルプマーク

 ヘルプマークとは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の援助を得やすくなる目的で作成されたマークです。ヘルプマークは2012年に山加議員自身の原体験を元に発案、東京都が作成したもので2017年にはJIS(日本産業規格)社会福祉の標準マップとして認められ、昨年末にはすべての都道府県がヘルプマークの採用に踏み切っています。東京では83%以上のヘルプマークの認知度をもっと全国的に上げることが今後の課題となっています。

ヘルプマーク↓

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shougai_shisaku/helpmark.html

■山加議員の原体験

 30代半ばで不慮の事故に遭い全人工股関節置換により右下肢障害第4級の身体障害者手帳に認定されました。手術の後の痛みや苦しみは、本人にしか分からない。そんな下を向いてしまいそうな時に、失ったものは戻らないと力強く一歩踏み出すためことを周りに支えてもらえる社会であって欲しいとマークを提案しました。

■ONEARTが行うヘルプマークの啓蒙活動

 ONEARTが今年から始めた活動の一つに動画でのインタビューがあります。さまざまな世代に障がいや差別について質問を投げかけリアルな声を拾うものです。世代や個人間の意見の違いを浮き彫りにすることで、社会の溝を解決していく狙いがあります。その活動の中で「このマークを知っていますか?」とヘルプマークを見せて、答えを聞くということを実施していた際に、ほどんどの若者はヘルプマークについて認知しており、我々親世代の方がマークについて知らないということに気づきました。そこで、今回対談の機会をいただき、我々ONEARTがヘルプマークの正しい普及活動に何か貢献できないかと考えた次第です。

■対談内容

先生:突然ですがけみさん?日本から発信された福祉のマークで、世界標準になっているマークをご存じですか?それは…「点字ブロック」です。これは、日本の岡山県立盲学校近くの横断歩道が発祥の地です。今やこの日本発祥の「点字ブロック」が世界の基準になりました。私は、日本から発信された福祉のマークとして「ヘルプマーク」も世界に通用する福祉マークに育ってほしいと願っています。
「ヘルプマーク」(援助や配慮を必要としていることが外見からは分かりにくい方々が、周囲に配慮を必要としていることを知らせる)を必要な人が持ち、皆さんが「ヘルプマーク」を100%理解していれば、気にかける事ができる、必要に応じて「どうしたのですか?」と、温かな声かけができる、思いやりの行動ができる。そのことが私は大事だと思ってます。

けみ:そこなんですね~、今ONEARTではZ世代を巻き込んで企画をやっているんですよ。いくつか動画を見せますね。
(「ヘルプマーク」を一般人に見せて、このマークが何を意味してるか、わかるかを聞いている動画です。若い人はほとんど答えられて、親世代は答えられない)

先生:若い人の方が知ってるんですね。

けみ:そうなんですよ。25歳以下のZ世代の人たちは、僕らの世代に「あなた達が壊した地球を僕らが救うんだ」って思ってるんですよ。若い人たちって、根本にそういう正義感があるんですね。だからこれは(ONEART-Zマーク)若者が、僕たちおじさんたちに向けたメッセージなんです。そう、先生が素晴らしいマークを作ってくれた、そして日本中が知った。でも知ってるのは、必要な人(高齢者達)だけなんですよ。「大丈夫ですか?」ってやらなきゃいけない、俺らの世代が一番知らないんすよ。僕ら世代が、空っぽなんです、他人事なんですよね。もっと若い子たちは知ってるのに。

先生:けみさん達のY世代には「ヘルプマーク」を現在必要としている配慮の必要な方は、年代的に少ない、しかもそのY世代の人達は、世代的に生まれたときからこのマークを目にしてないんでご存じない方が多い、そのY世代にやっぱりきちんと知って欲しいですよね。配慮って全ての年代にいつか必要になることもある、継続的に必要でなくても、全ての年代でいつ必要になるかわからない。生きることって配慮とも背中合わせだし共にくっついて生きていくわけじゃないですか。

けみ:なるほど、配慮と生きること。まあそうですね。

先生:本当に配慮がどこで必要なのかを判断するのは自分自身です。今までは、障害を持つと、どうしても「私、障害者です」って言いにくかったりして…、そういう世代はX世代だと思うんですね。でも、私もその中のX世代ですけど、不常なことって別に恥ずかしいことでも何でもない。ただ、その都度、説明しなきゃいけないから面倒くさい。テープレコーダーに吹き込んででボタンを押したいくらい!w。本当にその都度説明するのが面倒くさい。私、人工股関節なんで、早く歩けないんです!走れないんです!足が曲げられないので正座できないんです!単肝細胞癌で全摘出してるので油ものやお酒類ごめんなさい!ってね。これをつけてたら、何か配慮して欲しい部分不自由なことがあるんだろうなって、思ってくれるみたいな。明日は我が身で、いつ自分がそうなるか誰もわからない。私だって不慮の事故から人工股関節になり足の不自由さはさんざ経験しても、まさか自分が癌になるなんて思ってなかったから、頭ではわかっていても、その時「まさか」って言いましたよ。事故のときも「まさか」って言いましたけど、「まさか」って、その当事者にならないと本当に出てこない3文字です。

けみ:本当ですね、自分だけは、そうならないと思ってるから。「まさか」も自分には関係ないと思ってますよね。

先生:そのときすごく狼狽えちゃう。でも失ったものって戻らないので、そのときどうやって力強く一歩前に踏み出すかっていうのは、そのときに社会生活を支えてくれる様な福祉「マーク」があればいいなと思います。 不幸にして不条理な事故や病に遭遇してしまっても、昨日までと変わらぬ明日からの生活ができること!それが生涯福祉、と思います。

けみ:良き!演説っぽいw、先生さすが話上手ですね。「支えてくれる」って言葉がさっそく刺さりました。

(次回に続く・・・)