全何回になるのか予想できない「親御さんインタビュー」普段のことをありのままにお話ししていただきます。今回は福田ゆうきくんと福田史子さんの第三回です。自閉症あるあるとは?
け:ゆうきは今絵を描く?
母:いや、今書かないよ。(笑)でも、一応、障がい者向けの絵画教室があって参加はしてる。その先生も描け描けって促さない人だから通ってるんだけど。そこでは、お水に赤い絵の具を垂らしてずっと混ぜて色が変わっていくのを楽しんでるだけ。今は絵にハマってないのかな。
け:本当ね、時期ってあるよ。俺も施設行って、すごく良い絵を描く子供が、半年後に会うと、戦隊ものとかにハマってベルトしか描かないとか。そういうことあるもん。
母:だよね。だから期待しないで、その時その時でいいかなって思って。
け:ゆうきの絵は半年前にもらったのが最後?
母:もっと前だね、一年位前かな。こっち来てから描いてないかもしれない。ただ、絵の具は触ってる。絵の具を触ったりはしてるけどそれを紙に写したりはしてない。今はそっちにハマっていなくて、水にハマっているから、絵の具と水で遊んでる。
け:福ちゃんには通用しない質問なんだけど、ゆうきがいることで困った物語!もしあれば教えてくれる?
母:絶対自閉症あるあるだけど、、、家を出て行っちゃうのよ。
け:それは困るわ。
母:行方不明とかよくあるのよ。自閉症って。ショッピングセンターでいなくなるとか。うちの場合は未遂で終わったからよかったんだけど。自閉症の子だとよくある話よ。行方不明事件って...ガチャンって音がしたので、部屋を見渡したらゆうきがいなくて、探したら裸足で外を歩いてて...すぐ気付いたからよかったんだけど。今を生きてるから、外出たいって思ったら出ちゃうんだよねそういう子たちって。他には、カギ閉められる事件とかね。ごみ捨て行ってる間にカギ閉められて中は入れないとかね。あるあるだよ。だから一応、こわいから鍵持っていくことにしてる。お庭とか出ると閉められたらどうしようとか...ゴミ出しの時とかいつもドキドキしてる(笑)
け:もし何かあった時に、デイが地域密着型だと助かるよね。「こんなとこで何やってnの!?」って見つけられるくらい、職員さんが普段からその地域にいて、もちろん子供のことを全員覚えているような。
母:うんうん。分かる分かる。あとはデイの雰囲気も大切だよね。子どもたちも敏感に察知するからさ、雰囲気って。ゆうきも、前に通っていたデイに行きたがらなかったの。雰囲気が嫌だったんだろうね。でも、そこに入れるしかないから無理やり入れてたんだけど。そこのバックに荷物が入っているだけで泣きじゃくるぐらい嫌がってたの。だから他のデイ探さないとなって思ってたら、施設の管理者も心の問題で辞めていっちゃって。だから、そういう雰囲気が伝わったんだろうなって思って。デイを変えたとたんすごく楽しそうにしてるから、子供たちにもそういう雰囲気って伝わるんだなって思った。
け:もしかしたら、彼らの方がアンテナが高いかもね。
母:そうそうそう、ほんとそう思う。もう、嫌なところは一切行かないし、入らない。
け:当時そこしかなかったわけじゃないよね?
母:引っ越したばかりだったから、近くて土日も預かってくれるとかの条件だけで選んだの。そしたらそういう感じになっちゃって...
け:分かる...そういうことはあるよ。
母:それで、デイを変えたらすごい喜んでデイに通うようになった。今では、デイが無い日もデイの準備するようになっちゃった。
け:うん、良いね...実際、福祉の学校の先生よりいいデイの先生に出会ったらすごい変わる。
母:そうなんだ。
け:やっぱり、上手いデイってあるし、上手い先生って居るし。俺はあんまり学校と関わってないからあれだけど、やっぱり学校よりはデイ。デイで子供が育っていくとは思う。
母:うん。相性もあるしね。子供が何を求めているかっていうのもあるだろうし。
け:これは、お兄ちゃんに通用する話で、小学校5年生まではすごく算数の点数が良かったけど、6年生になって点数が悪くなったの。この原因は、すごく単純で先生が好きじゃないのね。
母:あるある(笑)
け:先生が好きだと認められたい、期待に応えたい、だから点数が上がるんだよね。デイも同じで、好かれる先生がいるところっていうのもすごく大事なことだよね。だけど、今のデイにしてよかったね。
母:うん。たまたまではあるんだけど、本人がすごく楽しそうに通ってるのをみて、今のところを選んでよかったと思ってる。
・・・第四話に続く