子供アーティスト親御さんインタビュー 第二回「息子がいるから見える世界がある」木野美奈さん

全何回になるのか予想できない「親御さんインタビュー」普段のことをありのままにお話ししていただきます。今回は木野美奈さんと木野しょうたくんの第二回です。ポジティブになれるまでの軌跡をお話し頂きました。

け:インタビューを受けてくださるという時点で、親御さんはある意味元気だし、ポジティブだし、強いし、大変だって思ってないんだよね。もちろん、色々乗り越えて、辛いこともたくさん経験して今の姿があるとは思うんだけど。やっぱりインタビューを受けてくださる親御さんは強い。半分以上の親御さんはネガティブな気持ちをずっと抱えていたり、暗いまま日々を過ごしていると思うんだけど、そういう親御さんたちに、ONEART新聞を通じて、木野さんみたいなポジティブな親御さんの姿を見せてあげたいなーと思ってるんだよね。

母:私たち夫婦ももちろん最初から、事実をポジティブに捉えられたわけじゃないし「障がい児?なんのこと?」みたいな感じでどこか他人事だったんですよね。事実が重すぎてずっと受け入れられないというか。障がいについて、触れたこともないし、知識もほとんどなかったのに、自分たちの目の前に現実として降りかかった時に、すごい戸惑いと不安はありました。「嫌だ!」と逃げ出したかったけど、日々息子は目の前にいて逃げられないし、逃げようとしても「あなたが産んだんでしょ」と烙印を押されているようなそんな気持ちでした。私も息子を産んだ当時は仕事をしていましたけど、保健師さんに「お母さんまさか働くなんて思ってないよね?」と産後に言われて、ああこれが現実なんだな、と思い知らされました。でも、息子が生まれてからの今までの主婦人生を振り返った時に、息子のおかげですごく充実している日々を過ごしていることに気が付いたんです。健常児なら見えなかった世界が見えたし、健常児なら経験できないことが経験できたんですよね。あの子のおかげで、毎日心が揺さぶられるので、例えば少し友達に優しくされただけで、その有り難みがすごく身にしみたんですよね。そう思えたのは、あの子がいてくれたおかげなんですし、意味ラッキーなのかなって。

け:お母さん喋るのうまいね(笑)

母:え、ほんとですか(笑)。いやでも、ほんと死のうと思ったことなんて数え切れないくらいありますけど、ようやくここまでこれたかって感じですよほんとに。

け:そうだよね。おれが聞こうと思って用意してる質問がいくつかあるんだけど、それを聞かずとも自分から答えてくれるから助かるわ(笑)

母:なんか恥ずかしい(笑)

け:息子さんの障害がわかったのって、息子さんが何歳に時なの?

母:妊娠8ヶ月くらいだったと思います。まず先生に「一人で大きくなれる子じゃない」って言われて、あとは「生まれて来られない可能性もある。もしかしたらお腹の中で命が絶えてしまうかもしれない」とも言われてました。そこからしばらく時間が経った時に、お腹の中で心拍が落ちてきてしまったので、緊急帝王切開をして生まれたという感じです。でもそこからすぐに息子は入院をして、人工呼吸器をずっとつけて病院で1年くらいを過ごしていました。でも私たちは家に連れて帰ってあげたいという気持ちが強かったので、気管切開に踏み切りました。そこから私たちは気管の痰を吸引する練習をしたり、鼻から栄養を入れてたので、それの練習も病院でしながら、徐々に準備をして自宅で過ごせるようになりました。正直、妊娠初期の段階で障がいがあることを知らなくてよかったなと思っています。知ってたら、もしかしたらよからぬことを思ってたかもしれないです。

け:なるほど、そうか。でも強いね。

母:出産するまでめっちゃ怖かったですよ。何かあるってわかってから色々検査をしてたんですけど、なんかお腹の中に”とんでもない何か”を抱えているような錯覚に陥ったこともありました。何時間もエコーを当てられて、それ以外にもたくさんの検査をして、でも結局は生まれてくるまでわかりません、という結果で。何か悪いものを産んでしまうんじゃないかってずっと怯えてました。先生から「手があるかどうかも分からない、耳も顎についている可能性もある。目も離れているかもしれない」と先生から言われてて、まだ見ぬ我が子をそんな風に言われると、怖くて怖くて仕方なかった。今考えるとひどい話かもしれないですけど、これは当時感じていた正直な気持ちです。でも帝王切開で生まれて、私はすぐに子どもを見に行けなかったんですけど、主人が見に行ってくれて戻ってきたときに「めちゃくちゃ可愛いぞ」って言ってきて、その一言のおかげで救われたし、今まで頑張って来れたんだなって思いますね。あの時、主人が子どもを受け入れてくれなかったら、今の私たちはなかったです。

・・・第三回に続く。

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