りひとくんの障がいがわかったのは3歳の誕生日をむかえる1日前。4歳になって徐々に発語がみられてきたりひとくん、今回は前回に続きインタビュー第二弾をお届けします。
け:6歳になった時はどんな感じだったのかな?
母:小学校の特別支援学級に入学できることになったタイミングですね。地域の、小学校に通えるように5歳くらいから、言語のトレーニングを重点的に行なっていました。最初のうちは、発語がやっぱりうまくできなくて、私が学校としょっちゅう電話でコミュニケーションを取っていたのを覚えています。先生から「りひとが今こんな状態なんだけど、お母さんこれってどうなんだろうか」みたいに、先生もりひとの状態を把握するために一生懸命対応してくれましたね。電話は毎日してましたね。そこから時が流れて、2年生の時は特に大きな成長はみられなかったんですけど、3年生になって担任の先生が変わってから、伸びがすごいですね。1年生から3年生になるまでは、勉強も言語の発達度合いも、そこまで大きな成長はなかったんですけど、3年生になった途端一変して、伸びが本当にすごいんです。しかも、今はコロナの関係で満足に学校も行けない状況なんですけど、それでも、3年分の勉強も、言語の発達も、一気にここ半年くらいで遅れを取り戻す勢いです。それですごくコミュニケーションが取れるようになりました。
け:おおお!すごい!やっぱり先生が変わると子供のテストの点数が下がることがあるって聞きますけど、学力とか、成長において、子供と先生の相性って本当に大事だもんね。ここ最近ですごい成長したってことは、このまま突き抜けるんじゃないの!?
母:どうなんでしょうね(笑)。実は私は、今くらいのタイミングで”後退”が始まるんじゃないかと思っていて。というのも、大きくなってくるとお友達とのいざこざもあったりするじゃないですか。そのいざこざでりひとは挫けがちなんで、そういうのがきっかけでちょっと後ろに戻っちゃうんじゃないかと。言葉で自分の感情や思いを上手く伝えられたらいいんですけど、それがどうしてもできないので、負の感情を抱え込んじゃってると思うんです。もちろん、このまま成長してくれるのが一番嬉しいんですけどね。
け:旦那さんは子育てに割と協力的なのかな?
母:出張とかが多くて家になかなか居られないので、ほぼ一人で育児はしてましたね。
け:りひとがいてくれて良かったと思うことってたくさんあると思うんですけど、印象的な話を聞かせてもらえますか?
母:話をはしょらなくなったことですかね。言わなくてもわかるでしょ?というのが通じないので、お互いが丁寧にコミュニケーションを取るようになりました。あとは、りひとがいると、空間が華やぐというか、いい空気になるんですよね。家族以外の人からも、りひとがいると安心するって言われることが多いです。存在が尖ってなくて、まんまるなんですよね。
け:年長の下の子とりひとの関係ってどんな感じなの?
母:ライバル関係ですね(笑)。弟の方がりひとのことをライバル視してる感じです。もちろん仲が悪いわけじゃないんですけど、りひとはどこに言ってもすごく人気者なので、弟の方はどうやったら自分の方が目立てるのか、考えてる感じなんでしょうね。
け:いいね。そのおかげで弟君は賢くなるよ。
母:喧嘩もしょっちゅうするんですけど、りひとがいっつも泣かされちゃってます(笑)。りひとはさっきも言ったように、性格が丸いから喧嘩には向いてないんですよね。自分から誰かを攻撃することはもちろんないですし、誰かをイラッとさせるようなこともないです。本当に角がないんですよね。
け:「丸く生きている」かあ!いいね!逆に大変なことってどんなことがあるのかな?
母:上の子たちが大きくなってきて、性教育をちゃんとしないといけない時期なんですけど、それに伴い、りひとには性のことをどうやって伝えたらいいのか、今からすごく悩んでいます。上のお兄ちゃんは自分の携帯も持ってますし、男の子なんでちょっとエッチなことも調べたりすると思うんです。それは健全な証拠なんですけど、何かのきっかけでりひとがそういう世界を知って、興味を持ち始めた時に、どうやって正しい性について伝えたらいいのか今はまだわからなくて。でも、大きくなったらいずれ来る避けられない問題なので、ちゃんと考えないといけないなと思っています。
け:施設の親御さん同士でそういう話はしないの?
母:親同士ではそういう話はしないですね。どちらかというと、施設の職員さんに相談することが多いですね。親同士で話をすると「うちの子はそんなことない」ってどこか守りの姿勢に入っちゃうことが多い気がしてて。なので、ちゃんと正しく学んで対策を取っていきたいです。「そんなことない」と決めつけて、正しい情報が取れなかったり、正しい対策を打てない方ことが一番恐ろしいことだと思っているので。