親御さんインタビュー「今を生きる、息子から学ぶ」福田史子さん第1話

全何回になるか、私たちにも予測できない「ONEARTインタビュー」
ご家族の人生、お子さんの障がいのこと、大変なこと、幸せなこと、親御さんにお話を伺っていきます。
今回は、ふくだゆうきくんと、お母さん(福田史子さん)にお話を伺いました。

第一回「今を生きる、息子から学ぶ」

け:福ちゃん久しぶり!忙しいところ時間をもらってありがとう!今日はよろしくね!ゆうきくん元気かな?今いくつになった?

母:けみさんお久しぶり!今、7歳になって。小学校1年生だよ。

け:おお!もう7歳か!今は普通の小学校に通ってるの?

母:実は、最近都内から神奈川に引っ越して。ゆうきが海が好きだから、海が見えるところがいいなと思ってさ。で、神奈川の私が住んでる地域にはインクルーシブの私立の学校があるのを聞いて、そこの私立の小学校を受験したんだけど、落ちちゃって。受験資格はもちろんあったんだけど、インクルーシブの学校と言いながらも、ゆうきの障がいは重すぎて入れないって。それで、普通の養護学校に入ったんだけど、結果的にはこちらの方がよかったと思ってる。ゆうきが幸せそうにしてたから、これでよかったんだなと思って。

け:でも、あれだね、私立の学校を受験させるって、福ちゃんもなかなかチャレンジしたね。

母:そうそう、でも結構親のエゴがあって(笑)。ゆうきが絵が好きだから、絵の写真まで持っていって、こんな才能がありますってアピールしまくってんだけど、結局さっき言った理由でダメで(笑)

池(事務局):「インクルーシブ」という言葉が出てきましたけど、インクルーシブの学校ってどういう意味なのですか?

母:「インクルーシブ」というのは、障がい児と健常人が混じった学校で、同じ教室で授業を受けられる学校のことだよ。海外では割と当たり前なんだけど、日本はまだ珍しいかな。あんまり大きな声では言えないけど、日本は障がい者に対する認識も、対応も相当遅れてるんだよね。

け:そうそう、福ちゃんの言う通り日本は遅れてるよね。ニューヨークとかだと、インクルーシブは結構当たり前で、障がいがある子でも、周りのみんなは、”ちょっとうるさい子だな”くらい当たり前に一緒にいる感覚なんだよね。ニューヨークは、いろんな文化が混在している街だし、こんなこと言ったらあれだけど、変な人なんていっぱいいるし、極端な話すると、何が障がいなのかわかんないんだよね。あそこにいると。あとさ、こないだ会った施設の先生が変なことを言ってて、「一番分かりやすい発達障がいはKYです」って言うわけ。いやいや、お前なって。そんなん言ったら外国人は全員KYやぞって、やべえな日本って思って(笑)。 日本は障がい者に対する認識とか、施設の対応が遅れてるよね。
け:ゆうきくんの障がいは「自閉症」だけど、具体的にどんな症状なのかな?

母:”重度知的障がい”のある自閉症かな。言葉はしゃべれないし、意思の疎通は手を引っ張ったりとか。それでもゆうきとコミュニケーションは取れるし、困ったことはない。言葉を使わないだけで、何を考えてるかわかるんだよね。

け:なるほど。俺もゆうきと何回か会ってるけど、何を考えてるかわかるよね。俺もそう感じた。

母:意思の疎通では困らないけど、彼は”今”を生きてて。彼の中では”後で”とか、”また今度”という概念がなくて、”今”しかない。だから今やりたいことを、今するんだよね。例えば、おばあちゃんちに行きたいとすると、”今度行こう”という概念がないから、今この瞬間に荷物をまとめて行こうとする。毎日、おばあちゃんちに行くための荷物を準備してたこともあったかな。普段のコミュニケーションには困らないけど、”今じゃないよ”というのを理解してもらうのには、少し苦労するかな。

け:いやでも、情熱家だよね。学ぶことがたくさんある。今を生きてるってロックンローラーだよ。ほんとに。

母:そうそう(笑)。過去も未来もなくて、本当に”今”しかないからね。おばあちゃんちの話もそうだけど、それ以外も全部そうで。例えば、食べ物を食べる時も、好きなものを後に残しとくとか、そう言うのは一切ない。例えば、お菓子を3個用意したら、その時に3個全部食べるし。でも私もその姿勢から学ぶことは多い。

け:ゆうきと接してると、大事なことに気付かされるよね。でもさ、色々大変なことってあるでしょ?

母:うーん、大変だと思えば全部大変なんだよね。でも、それはこっちの捉え方次第でなんとでもなると思ってて。例えば、トイレ一つとっても、家のその辺でうんちが落ちてることもあるし。それなんかも、いちいち怒ってたら、大変なことの一つになると思うんだけど、「ああ、ここでしちゃったんだな」くらいにこっちが捉えられたら、それは大変なことにカウントされない。こっちの心の在り方っていうか。心の持ちようがすごく大事なんだよね。大変なことを、大変なこととして捉えなければいいだけなんだよね。

第一回「今を生きる、息子から学ぶ」編 はここまで、、、!ゆうきくんの話はまだまだ続きます!第二回をお楽しみに!

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